勝鬘院(しょうまんいん)  西門の北西にあり。愛染明王安置す。太子この道場において勝鬘経講讃あり。ゆゑに名とす。
毎歳六月朔日、本尊を開扉す。諸人大いに群をなせり。
多宝塔 院中にあり。二層塔なり。大聖金剛を安置す。






愛染堂(あいぜんどう) 大阪市天王寺区夕陽ヶ丘町5-36
勝鬘院(しょうまんいん) 和宗総本山 推古天皇元年(593)に聖徳太子が建立した四天王寺の施薬院。
「愛情貧染」を「浄菩提心」する愛染明王が安置されていることから、愛染堂と呼ばれている。


金堂  本尊:愛染明王 左右に薬師如来、勝鬘夫人(弁財天)、歓喜天、十一面観音を安置。
織田信長の大阪石山寺攻めの際に焼失。徳川幕府2代目将軍・徳川秀忠が再建。


多宝塔  慶長2年(1597)豊臣秀吉により再建。大阪市最古の木造建造物。
内部には、秀吉が戦勝祈願のために造像させた大日大勝金剛尊像と、12天の壁画と柱絵が奉安されている。


出世白竜明神 (しゅっせはくりゅう・左):豊臣秀吉が梅の木を献植する際に、境内から白蛇が出現したことから祠を建立。
願成稲荷明神 (がんじょういなり・右):豊臣秀吉の生誕地である豊川の荼吉尼天の分霊を勧請。


愛染井戸  大阪7名水の1つ。
この水で染め物をすると発色がよいことから藍青商からの信仰が篤く、「賑わしや愛染詣での紺屋づれ」といわれた。
愛染が逢い初めと連想され、この水を飲めば良縁のご利益があるとされる。


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