七宝山高代寺(しつぽうざんこうだいじ) 吉川村の山峰にあり。真言宗。僧舎三坊。
本尊薬師仏 弘法大師の作。長二尺七寸。脇士日光・月光・十二神将を安ず。
龕懸石(がんかけいし) 当山より西北、川辺郎楕地の上方にあり。
大墓 当山の東にあり。墳瑩の聚まる所なり。安倍晴明咒禁の地にして狐狸の類ここに寄らず。
温泉 当山の南八町ばかり、麓にあり。今涸れて古迹のみなり。
名産礪石 吉川の山中より山づる。また蜀椒を名物とす。吾川・長谷・上杉・倉垣・垂水の五村より山づる。気味他境に勝れり。
寺説に日く、この寺は摂津守源満仲公の本願にして、仁和寺の寛空僧正の開基なり。
落慶は村上帝天徳二年の冬なり。その頃は、殿堂・宝塔、巍々として、女人の高野と称す。今廃して纔の古寺なり。









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