輪田御崎(わだのみさき) 当津の勝地なり。和田祠より辰巳の方、八町ばかり海面へ続き出づる洲崎なり。
浜松数千株ありで、颯々の声、浪の音に清らかなり。
ことに中秋の月の名所にして、海上晴れわたりて、万里も一目に遮りて、銀色三千界のけしきあり。騒人墨客ここに来たりて三五夜を賞すべき名勝なり。
およそ畿内において、また双ぶる所なし。
  『玉葉』 タ附日輪田の御崎を漕ぐ舟の片帆にひくやむこの浦風  入道前太政大臣

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