魚御堂古跡(うをのみどうのこせき) 薬仙寺の東北にあり。相伝ふ、大織冠の本願にして、称名寺といふ。 
本尊に、夜々竜宮城より諸魚来たりて、竜燈を捧げしゆゑ、魚御堂といふ。 
堂塔は、天正の兵乱に滅びて、本尊千手観音は今能福寺の境内にあリ。 前に見えたり。
一説には、当郡車村善福寺の本尊地紋尊ともいふ。次下に見えたり。 
 『新千載』     兵庫称名寺といふ寺にまかりける道に、小屋の家といふ所にて、八月十五日の夜よめる 
  月を見てなにはのうきも慰めばこやふるさとの秋の面影  権中納言為明女  
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