鉄枴嶺(てつかいがみね) 一谷の峯をいふ。むかし樵夫有りて多力にして常に鉄の枴を携へ山中に入る、これよりこの名を呼ぶ。
この峯より麓までを坂落とし、巌石おとしの名あり。義経、一谷を政め落とされしより名とせり。
   鉄枴嶺に登る (二絶句)
  鉄騎三千雲厭山 鉄騎三千雲山を厭ふ
  翠華一去惨竜顔 翠華一たび去って竜顔惨たり
  艨艟赤幟春風色 艨艟の赤幟春風の色
  留在夕陽松嶼間 留めて夕陽松嶼の間に在り
     又
  古塁鳥啼不見人 古塁鳥啼きて人を見ず
  嶺雲潤水共傷春 嶺雲潤水共に春を傷む
  誰知夜半風前笛 誰か知らん夜半風前の笛
  吹落梅花作戦塵 梅花を吹き落として戦塵を作すを




鉄枴山(てっかいさん) 
神戸市須磨区と垂水区の境にある、六甲山地西端の山。標高237m。
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