千僧寺旧跡(せんそうじのきゅうせき) 薬仙寺の南にあり。
この古跡、今兵庫津の三昧となる。むかしは万年山と号し、解脱上人の開基なり。行基僧正も.ここに来たつて、一千人の僧を聚めて供養ありしより、寺の号とす。
また『浄土正源名義集』に日く「承元年中、法然上人讃州下向の時、この寺にて阿弥陀経一千巻、念仏一百万遍を修して法会を行ひたまふ霊地なり」と云々。
六字石塔(法然上人の筆跡なり。かの法莚の時、供養のためここに建てたまふ。今三昧の中にあり。世に名高し。


元祖教会 神戸市兵庫区和田宮通3-2-29
もと外墓(そとばか)という共同墓地にあり、以前は千僧寺のあったところ。


史蹟 元祖大師御遺蹟略縁記 元祖大師諸国25番霊場 第6番御名号石
「円光大師法然上人75才の建永3年2月17日讃岐国へ御下向の砌、経が島の和田岬の元千僧寺旧跡の当所に留錫せられ、源平の戦乱を偲んで亡魂の菩提を弔い、かつは世の不安をとり除いて泰平を祈らんがために、阿弥陀経を読誦、念佛百万辺を修し、水陸無遮の御回向を修せられ、以て末世永く供養の記念にと自ら六字の名号を書いて石に刻まれたのであります。その後、ここに詣でる人、跡を絶たずといわれた。
当所は天保15年11月中興の再建にて、御名号石を御本尊として御安置し、今なお多くの庶民信仰を集め、日々灯明が絶えません。
然るに、太平洋戦争により、本堂その他の建物はことごとく焼失したが、その火の海の中にあっても、御名号石だけは少しも変わることなく立ち残ったのである。
昭和27年6月中旬、御堂が再建され、御堂前のお水鉢の水は、霊験あらたかな法水として、法然上人のお徳と、お念仏教化に浴される人多く、老若男女共々に、参拝者が今も絶えないのであります」


名号石(みょうごうせき)
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