梶原二度懸所(かぢはらにどかけのところ) 神戸の北、城ケ口村にあり。村民、梶原父子が軍功を感じて、標石を建つる。
これを振原二度駈石といふ。
『平家物語』云ふ、
梶原父子、いく田の森の逆茂木をとりのけさせて、城中へ攻め入り、次男平次景高前駈しければ、父平三使者をたてて、後陣の勢のつづかざらんに、先がけたらん者には賞あるまじき由、大将軍の仰せぞといはせければ、
もののふのとりつたへたるあづさ弓引いては人のかへすものかは
とぞ詠みたりける云々。
『平家物語』巻九 二度之懸 寿永3年(1184)2月5日