景季花箙所(かげすゑはなえびらのところ) 城ケ口村にあり。箙梅は、生田の社内に古跡をとどむるしるしとす。 
『源平盛衰記』云ふ、 
  梶原源太景季は、心の剛も人に勝れ、すきたる道もいうなりけり。咲き乱れたる梅が枝を、箙に添へてぞ指したりける。
かかれば、梅の花はちりけれども、薫は袖にぞ残りける。平家のきんだちは、花箙とて、いうなり豔しと、口々にぞ感じける。  



箙の梅(えびらのうめ)  生田神社境内
寿永3年(1184)の源平生田の森の合戦で、梶原景季が梅の枝を箙に差して戦った故事。


梶原の井
一名「かがみの井」とも云われ、寿永の昔、源平生田の森の合戦の折、梶原景季がこの井戸の水を汲んで生田の神に武運を祈ったと伝えられる。別説では影季がこの井の水を掬った時、咲き盛った箙の梅の花影が映ったとの伝もある。
   けふもまた生田の神の恵かや ふたたび匂ふ森の梅が香   影季

HOME > 巻之八 八部郡
inserted by FC2 system