因幡薬師(いなばやくし) 東須磨にあり。円福寺といふ。
本尊薬師仏 長一尺三寸。寺説に云ふ、行平卿この浦におはせしときの念持仏なりとぞ。
按ずるに、かの卿の歌によりて名附けるか。因幡薬師は京師にあり。在原行平と橘行平との混雑も覚束なし。この類世に多し。











浄徳寺(じょうとくじ) 神戸市須磨区北町1-4-28
高野山真言宗 月見山 久安2年(1146)仁海上人の開基。
在原行平の歌「影きよく照り渡るなり須磨の町秋の月見る山寺の庭」が山号の由縁と言う。
本尊:薬師如来は「火除薬師」「因幡(稲葉)薬師」とも言われる。

『摂津郡誌』に、「堂内別に薬師如来を安置す。俗に因幡薬師と云ふ。口碑によれば南方に在りし円福寺に安置せしものなるが、寿永の兵火に罹りし際、不思議にも此如来像のみは災厄を免れたり。されば火除薬師とも称し草庵を結びて、其処に安置せしものなりと。」
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