HOME > 巻之七 菟原郡


踊松(をどりまつ) 深江村の西端れにあり。すべてこの辺はみな海浜にして、風色斜ならず。
諺に曰く、むかし森村の稲荷の神幣、洪水の由、この深江の松の木に流れ来たる。森村の産土これを聞きて、その折節麦を刈り干して、みなみな杵を携へながら、探江村、この松の木へ、神幣を迎ひ来たる。その時、踊を催しけるより、をどり松といふ。
この例により、今に毎年四月中卯日、杵の神拝あり。









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