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敏馬神社(みぬめのじんじゃ) 岩屋村にあり。
『延斉式』には八部郡に載す。岩屋・大石・味泥(みどろ)の生土神とす。 例祭八月十三日。この神はもと能勢郡敏馬山にあり。神功皇后、船を造らしめたまふ功により神をこの浦に祭りたまふ。元の地名によって敏馬神といふ。『風土記』に見えたり。仙覚、万葉の註も同じ
三犬女清水(社頭の西、石階の側にあり。凄冷にして寒暑に増減なし。霊泉なり) 別当竜泉寺(社の東にあり。禅宗。薬師仏を安ず)
 重修ありて霜月二日宮遷しの日詣して   置く霜に神の行幸の跡あらん



敏馬神社(みぬめじんじゃ) 神戸市灘区岩屋中町4-1-8 
敏馬は、古く、藷續пA美奴売、三犬女、見宿女等の文字で書かれ、本来の祭神はミヌメ神(美奴売神・敏馬神)であった。
鳥居 平成12年10月建之

 
狛犬 明治40年12月建立。


拝殿 昭和27年再建された社殿は震災で倒壊したが、復元された。


 本殿 祭神:素盞嗚尊・天照皇大神・熊野坐神

 
后の宮(きさいのみや) 祭神:神功皇后   石碑「神功皇后祠」 灯篭は寛文13年(1672)奉納の銘がある。 右の石碑は昭和13年に神社西北の民家から発掘された室町時代のモノ。 

 
水神社:彌部波能売神(みぶはのめかみ)  奥の宮(おくのみや):伊邪那岐命・伊邪那美命 ミヌメ神とみられる。


松尾神社  祭神:金山彦神・大山祇神・舟玉神


稲荷神社


閼伽井   三犬女清水(みぬめのしみず)とも呼ばれる井戸  震災で涸れてしまいました。


『摂津国風土記』 敏馬松原章
美奴売とは神の名なり。神功皇后が新羅征伐に出発する際、川辺郡神前松原で戦勝祈願したとき、猪名川上流の能勢の美奴売山の神が参られ、美奴売山の杉の木を切って船を作れば必ず勝利すると告げた。その通りにして勝利を納めた帰途、古代には南に突き出した岬となっていた当地の沖で船が動かなくなり、船上で占いをするとこれは美奴売山の神の意志であるとわかったので、そこに美奴売神を祀ったという。


玉藻刈る 敏馬を過ぎて 夏草の 野島の崎へ 舟近づきぬ 人麻呂


過敏馬浦之時 田邊福麿 八千桙の 神の御世より 百船の 泊つる泊と 八島国 百船人の 定めてし 敏馬の浦は 朝風に 浦浪さわぎ 夕浪に 玉藻は来寄る 白沙 清き濱邊は 往き還り 見れど飽かず 諾しこそ 見る人ごとに 語り継ぎ 偲びけらしき 百世歴て 偲はえゆかむ 清き白濱 反歌  まそ鏡 敏馬の浦は 百船の過ぎて往くべき 濱にあらなくに


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