HOME > 巻之七 菟原郡




金津山(かなつやま) 打山村の西端に一堆の塚丘あり、これをいふ。
土人口称に云ふ、むかし、阿保親王この地に殿舎ありし時、黄金千枚、金瓦万枚をこの墳の中に蔵め置きて、
この里人飢餲におよぷ時、これを掘り出だして五穀に交易て、飢を凌ぐべしとなり。
この所の牧童、今に歌諷ふ。 その言に云ふ、
   朝日さす入日にかがやくこの下にこがね千枚瓦万牧
接ずるに、親王の御領にして、別荘もこの地にありしか。この辺の字に御所内・堂の上といふ所にあり。
この親王は、在原の行平・業平の御父なり。






金津山古墳(かなつやまこふん) 芦屋市春日町3
金塚黄金塚を別称にもつ市内最大の墳丘を残す古墳で、昔々打出の村人を愛した阿保親王が万一の飢餓に備え
て財宝をこの塚に埋めたという伝説があります。
周濠部分の調査をくり返し、全長55m、後円部径40m,前方部長15mの前方後円墳であることが判明しています。
               平成19年6月  芦屋市教育委員会







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