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阿弥陀寺(あみだじ)  脇浜の村中にあり。栽松山と号す。浄土宗。本尊阿弥陀仏。開基は法入法師なり。
法然上人帰洛の時、この浦人富松右衛門が家に宿らせたまひ、専修念仏の弘法を勧化ありて小松を海畔に栽ゑたまひ、われ本願末代に栄えなんしるしにといひたまふ。
かの松右衛門も御弟子と成り、法入と改名し、我が宅を寺となし、阿弥陀寺と号し念仏の道場となしぬと寺記に見えたり。
寺の什宝に山越鉦といふあり。法然上人、船中にてならしたまひ、念仏修行したまふ。 その音、山を越えて殊勝に聞こえしより名とせり。
この寺正しき旧跡なれぱ、ニ十五霊場の中に入るべきに、除かれし事不審なり。後世の所造か。後考をまつなり。







阿弥陀寺(あみだじ) 神戸市中央区脇浜町2-5-13 
浄土宗  栽松山



本尊:阿弥陀如来



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