昌林寺(しょうりんじ) 津戸村にあり、松原山と号す。浄土宗、恵心僧都の開基なり。
本尊阿弥陀仏(安阿弥作、身三尺)
美丈丸墳(びじょうまるづか)後園にあり。幸寿丸塚(こうじゆまるつか)同所にあり。源頼光墳(みなもとのらいこうのつか)同所にあり。
明星池(みょうじょうのいけ)寺前にあり。伝え云ふ、美丈丸の身代わりとして幸寿の頚を斬つて、この池にてその首を濯ひ、ここに葬りしといふ。ゆゑに村民、首洗池といふ。



昌林寺(しょうりんじ)  西宮市津門西口町14-12
浄土宗、松原山  天延2年(974)開創。
比叡山延暦寺の名僧・源賢僧都(美丈丸)が、父・多田(源)満仲の怒りをかい、身代わりなった重臣・藤原仲光の子・幸寿丸の菩提を弔うために建立したと伝わる。


本堂 本尊:阿弥陀如来立像


坂田金時手植の松 
大江山退治 正歴元年3月 多田満仲の長男が酒天童子退治で有名な源頼光であるところから、その家臣坂田金時の登場となる。


明星池(首洗い池・血ゝんと) 昌林寺門前
昔旱魃のとき、村人この池に弁財天を祀り雨乞いをしたところ、満願の日に一天俄にかき曇り、喜雨となった。 中山寺に預けた子、美丈丸(源賢)が修行に励まないのに激怒した多田満仲が、家臣の藤原仲光に美丈丸の首を持参するように命じたところ、仲光の一子、幸寿丸が身代わりとなった。その刎ねた首をこの池で洗ったという。美丈丸は幸寿丸の忠節に改心し、修行に励み、比叡山に入って高僧となったという。

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