御前浜(おまへのはま) いにしへは、この辺すべて広田郷といふ。今廃して、広田村存す。一名、広田浜ともいふ。古詠あり。
『風土記』云く、
神功皇后、摂津国海浜の北岸、広田郷に到る。今広田明神と号するこれなり。また海辺を号して、御前浜といひ、御前澳といふ。
『矢木』
神垣やおまへの浜の松風に波も打ちそふ里神楽かな
後京極摂政
同
いさざよき光にまがふちりなれやおまへの浜につもる白雪
俊 成
同
人はいさわれとはふまじ神垣や広田の浜にふれるしら雪
広 言
同
あはれみをひろ田の浜にいのりても今はかひなき身の思ひかな
定 家
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巻之七
武庫郡