鷲林寺(じゆりんじ) 甲山の西にあり。今鷲林寺村旧跡なり。武庫山と号す。荒廃の後、西宮円満寺に併せ守る。
本尊十一面観音 弘法大師の作、長五尺。
 『伽藍開基記』云ふ「摂の武庫郡に観音の霊跡あり。弘法大師の開創にして、武庫の山麓にあり。その山壇峰にして林木隠々たり。秀でて蒼穹を接し、つねに魔魅あり。淳和帝御字天長五年如意尼摩尼山を開いて落成の時、たちまち林中に大鷲あつて黒雲を起こし、しかも火焔を吹き出だし、直ちに摩尼山に至り、殿字を焚かんとす。如意尼如意輪の呪を誦し、香水をこれに潅ぐ。そのうへ大師の教へによって東谷の岩上にこれを祀れば、たちまち障碍止んで守護神となる。すなはち大師十一面観音の像を刻みて安成し、鷲鳥を麤乱神の祠に設けて伽藍神とし、寺を鷲林寺といふ」。






鷲林寺(じゅうりんじ) 西宮市鷲林寺町4-8
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