寶樹院の開山は寛永6年(1629)に没した乗誉宥尊上人で、寺号を最初寶集院と号していたが上人の開山に伴い現在の寶樹院に改め、浄土宗知恩院末に改宗された。 それ以前のことは旧記が天和年間に流出したために不詳である。 天保9年(1813)に書かれた過去帳には「天正年中桑山修理太夫再建、文禄元年3月大檀那笹部淡路守之を中興す。太閤秀吉公影像、桑山法印像共に仏殿に安置す。 本尊開運弁財天及厄除不動明王尊豊太閤念持仏也」とあり、『摂陽群談』、『摂津名所図会』などにも同じような内容で寶樹院が紹介されている。 当寺には阿弥陀如来、観音勢至両菩薩、善導大師法然上人両尊像の他、浄土宗改宗以前の仏像が数多く祀られている。 中でも享徳年中(1452〜1455)に造立された彩色地蔵菩薩像は、今も美しいお姿で、施餓鬼大法要のご本尊として毎年御開帳されたいる。 なお、当寺所有の「豊臣秀吉木造菊桐紋蒔絵厨子」、「桑山重晴木像黒漆厨子」は共に尼崎市指定有形文化財に指定されている。 平成25年9月吉日 法然上人800年大遠忌記念建之 |
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