長洲(ながす) 尼崎の東北をいふ。長洲浜とも詠めり。月の名所なり。
 『日本紀』云ふ、
  履中天皇、悪解除・善解除を負せて、長猪崎に出だして祓楔をせしむ。
    『夫木』     わが袖の海となるをば津国のながす涙のつもりなりけり      為 家
    『拾遺』     恋ひ佗びぬかなしき事もなぐさまんいづれ長洲の浜辺なるらん     読人しらず
    『夫木』     磯千鳥あやなたくねは何ゆゑにながすの浜のなかは待ちけん     兼 輔
     同     万代をわれにゆづるや声たえず長洲の沢になきわたるらん     相 模


  





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