蜜蜂山蜂前寺(れいはうきんほうぜんじ)(味舌上邑にあり。金剛院といふ。真言宗。
本尊薬師如来 行基の作。座像。長四尺玉寸。脇士・日光月光・十二神将・四天王、共に運慶の作。各三尺五寸。
不動尊 弘法大師の作。長五尺。護摩堂に安す。 
蜂塚 本堂の艮にあり。 
西門跡 当時より一町西にあり。
天平勝宝年中、僧正行基難波津遊歴の時、北方に紫雲霊光あり。すなはち僧正ここに至る所に老翁に遇ふ。この地は大悲有緑の霊場なり。
急ぎ精舎を創すべしとて種々の珍菓を与へ、空に飛んで光を放つ。ここにおいて行基自ら大悲の像を彫刻して本尊とせり。
古は放光山味舌寺と号す。郷中もこの寺の領地の時なれば味舌と号す。一年賊兵競ひ来る。村民これを防ぐといへども利なし。
時に大悲の殿内より数千の蜂群がり出でて賊徒を迫ひ退けて安堵ならしむ。これより改めて霊蜂山蜂前寺と号せり。
万治年中宥請阿闍梨(ゆうせいあざり)再興して中祖とす。

01
金剛院(こんごう) 摂津市千里丘3-10-5
蜂熊山 峰前寺(はちくまやま ほうぜんじ)
天平10年(738)老翁に「この地は霊地なり一寺の建立を乞う」との言葉に、行基が薬師如来を刻み本尊とし、放光山味舌寺を開基。
鎌倉時代に金剛院と改める。天正年間(1573〜91)兵火により消失。織田有楽斎所領の折、再建。
7代目藩主織田豊前守輔宣殿の代に往古の面影を取り戻す。

02
本堂 本尊:薬師如来

03
護摩堂 本尊:不動明王立像
弘法大師の所作と伝えられている。寛文年中、織田有楽候の孫2代領主織田豊前守殿再建し給う。
平成11年3月修復。

04
弁天堂

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鐘楼 梵鐘は昭和23年(1948)5月再鋳。

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玉姫大明神

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野立の井 味舌領主織田有楽斎

07
蜂塚
崇徳天皇(1119〜64)の御代に賊徒蜂起し、討伐にあたった官軍は逆に押され、当山に駆け込み、蜘蛛の巣にかかった蜂を見て「もはや命運つきたり。この上はせめて蜂の命を助け善根を施さん。薬師如来よご照覧あれ」と蜂を助け「ご本尊様この度の討伐勝利を得ば、更に堂宇を林営し永く鎮護国家の道場と為さん」と祈念したところ、それに呼応するが如く、山内鳴動し数万の群蜂出現して賊徒を追い払えりという。
その後も蜂の大群が盗賊から村人を救い、以来、霊蜂山蜂前寺金剛院と改称した。

09
狛犬 平成7年(1995)4月 本堂裏、須佐之男命神社の方角に鎮座。
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