原の池(はらのいけ) 原山の麓にあり。
『後拾退』
むば玉の夜をへて氷る原の池は春とともにや波も立つべき
藤原孝善
『六帖』
はらの池に生ふる玉藻のかりそめに君をわが思ふ物ならなくに
貫 之
『夫木』
むべしこそ氷とぢけれ霜がれの冬野につづく原の池水
信 実
同
しるや君つらら隙なき原の他にかはらぬをしの夜半のうきわに
読人しらず
『堀川』
冬寒み鳩烏すだく原の池もよにむすぼはる氷なりけり
仲 実
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巻五 島上郡