牛頭山護国寺(ごずさんごこくじ)吹田村にあり。禅宗曹洞。
本尊地蔵尊 大徹和尚の作。本願は足利三代将軍義満公なり。開山宗令。
大徹和尚は大隅の人なり。康暦二年当寺を草創し、地蔵尊を造りて正殿に奉ず。それより越中の立山に詣で、その風流を愛し寺を建てて立川寺と号しまた南明寺(なんねいじ)を開く。みな大徹を祖とす。
その頃立川寺に在りし時、衣冠の人出で来りて戒法を授からん事を願ふ。師すなはち無相の禅戒を伝法す。その異人礼謝し立山に昇り雲に乗じて去る。衆人初めて白山権現たる事を知れり。
一日師坊峩山(がざん)の室にかへり左右に命じて日く、我死後茶毘せば骨灰を収めて遠く去る事勿れ。ただこの山に瘞(うづ)め我死生師を離るる事を厭ふ。また云ふ、地蔵を造って護国寺にあり。すなはち我幼躯(ようく)なり。またさらに肖像を立てる事なかれと、云ひ終はって寂す。春秋七十。(『伽藍記』大意))



本眞寺(ほんしんじ)吹田市高浜町4-33
平成18年、宗教法人・護国寺は巨額の負債を抱え、競売にて真宗大谷派本眞寺が落札したという。


本堂
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