新町橋(しんまちばし) 西堀北より十二日の橋なり。東は順慶町、西は傾城廓。瓢箪町の入口なれば瓢箪橋ともいふ。
四時橋上に市店ありて賑し。西横堀の北は密戸問屋・石工多し。
東の方鵬慶町の内、この橋より一町ばかり東の辻に井あり。これを浄国寺の井といふ。
すなはち浄国寺の旧地にして今において町の名に呼ぶ。この寺、今は高津下寺町にあり。法然上人古跡にしてすなはち千石塔婆もあり。






新町橋跡(しんまちばしあと) 大阪市西区新町1 
旧西横堀川に架かっていた。



新町橋は、寛文12年(1672)、新町遊廓東側の通路として西横堀川に架けられていた。廓の中心の瓢箪町筋にあり、市内側への唯一の通路のようになっていたことから、「ひょうたん橋」とも呼ばれていた。
遊廓は、西鶴・近松らの作品の舞台になり桜の名所でもあり、橋の東は、道頓堀の繁華街ともつながり、この橋の上にまで夜店が並び賑わった。
明治5年9月には橋長12間(21.8メートル)幅2間余(3.6メートル強)の鋳鉄製構アーチの鉄橋に架け替えられた。しかし反りのきつい橋であったため明治8年に改造がなされ、その後、昭和2年6月に都市計画事業で鉄筋コンクリート製のアーチ橋に、昭和46年頃、西横堀川の埋め立てにより姿を消した。
                                平成7年3月



浄国寺(じょうこくじ) 大阪市天王寺区下寺町1-2-36
浄土宗知恩院派 無哀山建立院 永禄8年(1565)僧了照の創建。


本堂  本尊:阿弥陀仏


圓光大師(法然上人)御分骨 御廟所

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