三津寺(みつてら) 三津寺筋にあり。古義真言宗大福院と号す。
木尊十一面観世音 行基の作、長五尺八寸。寺説に云ふ、行基菩薩開基したまふなりとぞ。
 『新古今』に「難波のみつの寺にて芦のはのそよぐをききて」とある前書の和歌は、天王寺の事ならんか。
またあるが云ふ、三津八幡の神宮寺といふ説あり。その証詳らかならず。
境内に大木の楠あり、周り五尋半。惜しいかな、近年の火災に枝葉焼亡す。




三津寺(みつてら)  大阪市中央区心斎橋筋2-7-12
真言宗 御室派 準別格本山 七宝山 大福院 摂津国88ヶ所 第2番霊場
天平16年(744)聖武天皇の勅命により行基が創建。
文禄年間(1592〜96)に僧賢愚が中興、寛政3年(1791)焼失、文化年間(1804〜18)再建。
大正3年(1914)に明治45年(1912)に焼失した末寺の松林庵を合併。
境内にあった楠の大木は享保9年(1724)に枯死した。


本堂 本尊:十一面観世音菩薩  文化5年(1808)建立。


脇堂 ちぎり・御津・立江の地蔵尊、愛染明王



庫裏  昭和8年御堂筋拡張でコンクリートにて改築し、大阪最初のコンクリート寺院となる。

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