比売許曾神社(ひめこそのじんじゃ)  味原郷小橋村にあり。『延喜式』曰く「東生郡比売許曾神社、名神大、月次・相甞・新甞」。
『三代実録』日く「貞観元年正月従四位下を授く」。今、小橋村生土神とす。
例祭、正月十二日比売許曾祭、五月五日菖蒲刈神事、十一月二十五日橋架の神事
祭神下照比売(したてるひめ)命 大己生命の御女にして、天稚彦命の妻、味耜高彦(あぢすきたかひこ)命の昧なり。またの名、稚国玉(わかくにたま)媛、あるいは天探女(あまのさぐめ)とも号す。神代に天磐船に駕りたまひこの地に天降りたまふにより、高津と号しける
 末社(阿遅速雄祠(若宮と称す)大葉外祠・高津八幡宮・玉敷祠・牛頭天王祠・天満宮・神木賢木殿)
『神代巻』云ふ
 高皇産霊等、天稚彦に天鹿児弓および天羽羽矢を賜ふ、以って遺はす。この神また忠誠ならず。来到りてすなはち顕国王の女子下照姫を娶る(またの名高姫、またの名椎田玉)。因つて留任りて日く、吾また草原の中国を馭めんと欲し、つひに復命ず。この時に高皇産霊尊、その久しく不来報ることを住む。すなはち無名雉を遣し伺しむ。その雉飛び降り、天稚彦の門の前に所植る湯津杜木(ゆつかつら)の抄に止り、時に天探女見て天稚彦に謂して日く、奇鳥来りて杜の抄に居る。天稚彦すなはち高皇彦霊尊の所賜ひし天鹿児弓・天羽羽矢を取りて、雉を射て斃しつ。その矢雉の胸を洞達って高皇産霊尊の座す前に至る。時に高皇産霊尊、その矢を見して日く、この先はすなはち我が天稚彦に腸ひし矢なり。血その矢に染ること、蓋し国神と相ひ戦ひてしかるか。ここにおいて矢を取りて還し投下したまふ。その落ち下り、すなはち天稚彦の胸上に中ちぬ。時に天稚彦新嘗して休臥せる時なり。矢に中って立に死す。これ世の人いはゆる反矢畏むペしの縁なり。天稚彦の妻下照姫哭泣悲哀む声天に達ゆ。中略)八月八夜啼び哭き悲び歌ぶ。これより先天稚彦、葦原中国に在りしとき、味耜高彦根神と友善し。ゆゑに味耜高彦根神、天に昇って喪を弔ふ。時にこの神の容貌正に天稚諺が平生しときの儀ひに類たり。ゆゑ天稚彦の親属妻子皆謂はく、吾が君はなは在しけり、すなはち衣帯に攀牽り、且つ喜び且つ慟ふ。
  (下略)
『垂仁紀』日く、
  垂仁天皇二年(中略)神石美麗童女に化す。ここにおいて阿羅斯等(あらしと)大きに歓んで合せんとす。しかるに阿羅斯等化処に去るの間、童女忽に失す。阿羅斯等大きに驚きて己が婦に問ひて日く、童女何処か去きし。対へて日く、東の方に向ひにき。すなはち尋ねて追ひ求む。遂に海浮に遠りて日本国に入る。求むる所の童女は難波に詣りて比売語曾杜神と為し、且たは豊国の国前邦に至り、復た比売語曾社神と為る。並びて二処に見祭れたまふ云々。
 当社の鎮座は年歴久遠にして、詳らかなる事旧記に見えず。時世に移りてあるいは荒廃し、また再営に及ぶあり。近くは天正の騒擾に、織田信長、本願寺光佐の戦に兵燹に罹り灰燼となる。やうやう村老小祠を護りて僅かに遺るのみなり。ゆゑに前代の『摂津名所集』には鮮かならず。ここに近年天明八つのとし、この神社の樋代よりも、旧記・神器出でて大略明白たり。その中に、後柏原院御宇に将軍足利義晴公、厳重に再営の体、古図に見えたり。なほ上代の事は、『日本紀』『古事記』『万葉』などをもって正跡を鮮かにすべし。
 神宝(大鷦鷯(おほささぎ)尊の聖像、御長一尺二寸。大小橋命神像、長四寸。後醍醐帝綸旨。後柏原院高台御製宸筆。当社神伝。押功皇后御鏡。顕宗帝御寄附棹鹿角。猪甘津橋杭化石。源頼光願書。高津八幡宮神像。阿知速雄命神像、敦実親王作。将即足利義時公制札。同御所持御硯一面。大小橋命玉璽等あり。この神器、近年杜頭において開扉に及ぶ。遠近群密す
     摂津守源朝臣
  丹後国、大江山の夷賊、退治の為め勅命を蒙り発向し訖んぬ。速かに比売語曾大神の霊験を祈るペし。丹誠を抽んずべきの状の執達、件のごとし。
   寛仁元丁巳年正月十日
                   社 家


比売許曽神社(ひめこそじんじゃ) 大阪市東成区東小橋3-8-14
当神社はその創建きわめて古く人皇第11代垂仁天皇の御代愛来目山(あくめやま)に下照比売命を祀り以て起源を為すと伝ふ。其の後第23代顕宗天皇の御宇社殿の御造営あり、又第33代推古天皇15年春正月12日正遷宮の際は行幸あらせ給ふ。第56代清和天皇貞観元年に神階従四位上に進め給ひき。即ち延喜式内名神大社にして実に荘厳なる社殿なりしも数度の兵乱により改築毎に小社となり遂に天正年間織田氏の石山本願寺を攻めの兵火に遭い卒くる難を避けて摂社なる牛頭天王社に移りぬ。現今の社地之なり。昭和3年御大典を記念して社殿社務所を改築す。昭和12年1月12日氏子有志より神輿の奉納ありその年より古儀を復興し夏祭に神輿渡御を行う。その巡幸誠に盛大なり。   平成12年8月

鳥居と標柱 神明如水晶 神徳如池水

神輿
神輿庫

 
鳥居脇 狛犬

 
狛犬


拝殿


本殿 祭神:下照比売命 ・ 速素盞嗚命・味耜高彦根命・大小橋命・大鷦鷯命・橘豊日命


白玉稲荷神社


大国主社
HOME > 巻之三 東生郡
inserted by FC2 system