有栖山新清水寺(ゆうせいざんしんきよみづでら)  天王寺の西にあり。始めは有栖川寺と号す。
むかし斎宮の女御難波の祓所田簑島にてありしなり。洪水の時、この有栖川に修したまふ。
本尊十一面千手観音 聖徳太子の御作。脇士は地蔵・毘沙門天を安ず。また側に天満宮、子安地蔵を安置す。
開基は延海阿闍梨にして、寛永十七年京師音羽山清水寺よりこの本尊をここに遷し、享保年中新清水寺となる。
堂前の台よりはるかに眺むれば、西南の遠山、蒼海の波頭真砂にして、京師の音羽の滝津瀬にも劣らざる風色なり。
 有栖清水(ありすのしみず) 石段の下にあり 大悲水 舞台の南にあり。御供水ともいふ。
 開基延海塔 舞台の下にあり
 由縁斎貞柳碑(ゆえんさいていりゅうのひ) 石段の側にあり。狂歌をもつて世に聞こゆ。
  耳は遠く死ぬるは近く成りにけり夢さませとあかつきの鐘    貞 柳
       天王寺にて
  酒もつよく顔の赤さも公平は四天王寺の花の下かげ


清水寺(きよみずでら) 大阪市天王寺区伶人町5-8
和宗総本山・四天王寺支院 有栖山 清光院 もとは有栖寺(うすじ)と称し、京都の清水寺 を模して建立されたために、新清水寺(しんきよみずでら)とも呼ばれる。


護摩堂


玉出の滝(たまでのたき) 大阪市内唯一の天然の滝 四天王寺金堂下にある青龍池から流れ出ている白石玉出の霊水とされる。


舞台


納骨堂


地蔵堂

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