新家町(しんけのまち) この地西成部なり。しかれども連綿たればここに出だす。
この所の名物は金魚・酢蛤・ごろごろ煎餅・蕃椒・昆布・竹馬・糸細工・麦藁細工等なり。両側に貸食の家列なり、三文字屋・伊丹屍・昆布屋・丸屋など荘を風流に営み、鱗魚の鮮らけきをもつて饗応し、女奴は粧粉を施し、蔽膝の赤きに天鵝絨の襟、松金油に雲鬢を薫らせ、酒を勧めて声をかしく拍子どり、来客は千里の波涛も一帆の順風に利潤を得て、まづ墨江の大神に慶びの祝詞を捧げてこの酒旗に来り、その勇威を顕しけるもみな神徳の余光なるべし。
  朝夕にみればこそあれあれあれがしやむのお歌のあはぢ島山 貞 柳












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