薬師堂全興寺(やくしどうぜんこうじ) 野中山と号する。本尊は薬師如来で、聖徳太子の作と伝えられている。 平野がまだ広茫たる野であったころ、ここに薬師堂が建てられ、ここから人が住みはじめ平野の町が次第に広がっていったといわれ旧町名の平野野堂町の起源となっている。 やがて坂上家の尊信するところとなり、現在の本堂も天正4年(1576)坂上利治によって再建されたもので、府下木造建築の中でも古いものである。 当寺には、真田幸村が樋之尻口の地蔵堂に仕掛けた地雷によって飛来したという伝説をもつ「首の地蔵尊」や、湛慶作と伝えられる「太子像」がある。 また境内には、万治3年(1660)奥野家が寄進した石燈籠や井戸形の水盤がある。 別に当寺は、杭全神社の奥の院と仰がれ、今なお毎年7月14日には「みこし」渡御があり、神事が行われている。 平野区役所 |
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